AI動画制作

AIだけでYouTubeショートを全自動制作:ドラゴンボール ナメック星編を22分34秒・約90円で作った仕組み

公開日:2026.11.08 執筆:SSエンジニアリング 編集部
AIだけでYouTubeショートを全自動制作:ドラゴンボール ナメック星編を22分34秒・約90円で作った仕組み

「AIだけで、YouTubeショートをどこまで作れるか」を試している個人開発の記録です。今回は、原作ファンによる非公式の紹介(オマージュ)として、鳥山明『DRAGON BALL』(集英社)のナメック星編の序盤を、1分09秒の棒人間アニメにしました。人がやったのは、題材の一覧を設定ファイルに書いたことだけです。台本、ナレーション、映像、効果音、公開前チェック、YouTubeへの投稿までをパイプラインで自動実行しています。

作った動画の概要

内容は、地球のドラゴンボールが使えなくなり、悟飯・クリリン・ブルマがナメック星へ向かうところから、フリーザ一味・ベジータとの三つどもえのボール争奪戦が最終局面に入るところまでです。ずんだもんの声で、場面ごとにテンポよく紹介していきます。

項目内容
長さ1分09秒
形式縦型 1080×1920・30fps(YouTube ショート)
場面数12
フレーム数4145
効果音の数47
登場人物孫悟飯、クリリン、ブルマ、孫悟空、ベジータ、フリーザ、ドドリア、ザーボン、デンデ、ナメック星人、最長老

仕組み:工程ごとの役割と使った技術

全体はPythonで書いており、Google Cloud の Cloud Run Jobs と Cloud Scheduler で定期実行しています。ローカルでも同じコマンドで動くようにしてあるので、デバッグはローカル、本番はクラウドという使い分けです。

1. 台本づくり(Claude API)

Claude API(claude-opus-5-5)の構造化出力で、場面ごとにナレーション・字幕・読み・登場人物の見た目・動き・カメラ・効果をJSONで出力させます。映像側はこのJSONだけを見て描くので、台本が映像の設計図を兼ねています。

2. ナレーション(VOICEVOX)

VOICEVOX(ずんだもん)をDockerで動かし、字幕1行ずつ音声合成しています。1行ごとに音声の長さがわかるので、そのまま字幕の表示時間に使え、字幕と声のズレが起きにくくなります。

3. 映像(自作の棒人間レンダラー)

Pythonとcairoで作った棒人間レンダラーで描いています。関節角度でポーズを定義し、パンチ・気功波・飛行など28種類の動きと背景・エフェクトを1コマずつ描画し、FFmpegで動画にします。

4. 効果音・字幕

  • 効果音:NumPyで波形から合成(外部素材は使っていません)
  • 字幕・見出し:Pillow と Noto Sans CJK

5. 公開前チェック(Claude)

Claudeがサムネイル画像と台本を見て、原作との事実関係・権利・YouTubeポリシーを審査します。問題があれば台本を自動で直して作り直す流れです。

工程別の制作時間

工程時間Claude呼び出し回数
台本づくり(Claude)2分03秒1
ナレーション音声(VOICEVOX)38秒0
棒人間アニメの描画・動画化8分59秒0
公開前チェックと修正(Claude)10分54秒3
YouTube への投稿0秒0
合計22分34秒

一番時間がかかったのは公開前チェックと修正で、次が描画です。台本そのものは2分03秒で出てくるので、「作る」より「確かめて直す」ほうに時間を使っている構成になっています。

費用

工程入力トークン出力トークンClaude費用
台本づくり412813812$0.29(約44円)
公開前チェックと修正2098011209$0.31(約46円)
合計$0.60(約90円)

円換算は1ドル=150円です。台本は入力が少なく出力が多い(場面ごとの細かい指定をJSONで書き出すため)、チェックは画像と台本を読ませるので入力が多い、という違いがはっきり出ました。

AIのチェックで見つかった問題と直し方

公開前チェックは2回分の記録があり、どちらも判定はOK(重大な問題なし)でしたが、warnレベルの指摘がいくつか出ています。

1回目の指摘

  • 事実関係:デンデを救い出す場面で、原作ではクリリンも加勢しているという指摘。完成版のナレーションは「悟飯とクリリン」が救い出す形になっています。
  • 権利表記:タグに「ずんだもん」が入っているので、VOICEVOXの利用規約に沿って概要欄にクレジット表記を入れること。
  • 見た目:サムネイルでザーボンの長髪が見えず、ベジータも悟飯・悟空と同じ髪型で見分けにくい。

2回目の指摘

  • 時系列:ベジータがボールを奪う場面とザーボンへのリベンジの順番が原作と少し違う。「一方」でつないでいるので重大ではないが、並べ替えるとより正確になる、という内容。
  • 補足:最長老による潜在能力の解放がクリリンだけになっているが、原作では悟飯も(このパートより後で)力を引き出される。次回以降で触れると整合が取れる。

人物の取り違えのような事実の指摘を、AIが自分で拾って台本に反映できたのは大きな収穫でした。一方で、2回目の時系列の指摘はwarn扱いでOK判定になったため、完成版にはその順番のまま残っています。warnをどこまで自動で直すかは、今後のルール設計の課題です。

やってみてわかったこと・今後

  • 台本をJSONにすると後工程が楽:見た目・動き・カメラまで台本に入れておくと、レンダラーは描くだけで済みます。
  • チェック工程に一番時間がかかる:22分34秒のうち10分54秒がチェックと修正。品質を担保する部分にコストが寄るのは、むしろ健全だと感じています。
  • 棒人間はキャラの見分けが課題:髪型だけでは区別しにくいという指摘があったので、色やシルエットの差を強める必要があります。
  • warnの扱い:OK判定でも残る細かいズレを、自動修正の対象にするかどうかを決めていきたいです。

まとめ

題材を設定ファイルに書くだけで、台本・声・映像・効果音・公開前チェック・投稿までが自動で進み、1分09秒のショートが22分34秒、Claude費用約90円でできました。完璧ではなく、時系列のズレやキャラの見分けにくさは残っていますが、それをAI自身が指摘してくれるところまでは来ています。次回以降も、チェックと修正の精度を上げながら続けていきます。

※動画は原作のファンによる非公式の紹介動画です。登場人物は棒人間で表現しており、原作の絵・音声は使用していません。音声: VOICEVOX:ずんだもん

執筆者

SS
SSエンジニアリング 編集部

中小企業のAI活用・業務自動化・ITに関する情報を発信しています。本記事はAIの支援を受けて作成しています。内容は公開時点の情報に基づくため、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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